航空宇宙構造研究室(高野研究室)所属
中学生の時にアニメ「宇宙兄弟」を見て、宇宙に興味を持ちました。最初は天体に興味がありましたが、高校生の時につくば宇宙センターを見学したことが大きなきっかけとなり、宇宙工学、ロケットや衛星開発に興味をもちました。
将来、ロケットや衛星を作りたい。そんな想いから、宇宙工学開発に関わる研究がある大学を探していました。そこで見つけたのが、神奈川大学のテクノサークルです。テクノサークルに入れば1年生の時から宇宙工学系のものづくりに関わることができると知って、神奈川大学への進学を決めました。
機械工学科を選択したのは、ロケットや衛星作りへ繋がる学問だと思ったからです。航空宇宙工学科などの選択もありましたが、それでは学べる幅が狭い、宇宙工学に縛られることなく、ものづくり基礎から学びたいと思ったのです。神奈川大学の機械工学科は、機械についてはもちろん、制御、電気工学、プログラム、材料、エネルギーなど、ものづくりについて幅広く学べることが最大の魅力だと思います。
入学するとすぐにテクノサークルの宇宙ロケット部に所属し、ハイブリッドロケット開発に参加しました。2年次(2021年)、3年次(2022年)と連続してロケットの打ち上げに参加することができ、とても感動しました。
ハイブリッドロケットは燃料、エンジンなど複数の担当に分かれ、皆で協力しながら製作します。1年生のときにはひとつの分野に絞らず、さまざまなものづくりの経験を積みました。3年生では副部長としてスケジュール管理やチーム全体をまとめる仕事を担当しました。そのなかでも何かひとつ専門を極めたいと思い、分離機構の担当として基盤を一人で製作しました。
分離機構とはロケットを切り離し、パラシュートを開いて落下させる機構のことです。2022年の打ち上げ時にはロケットを分離できる高度まで届かず、私が作った分離機構が使用されることはありませんでしたが、自分が作ったものがロケットに搭載されたということ自体がとても嬉しかったです。
3年生の終わりに、4年生から所属する研究室の希望を提出するのですが、制御の研究室か、現在の高野研究室かでとても悩みました。
高野研究室は、宇宙ロケット部と合同でハイブリッドロケットを開発しています。ロケット開発は、これまでの3年間で私が最も力を注いできたことです。
一方、制御の授業にも打ち込んできました。なぜ制御かというと、制御の技術は身の回りにあふれていることを初回の授業で学び、「機械を操れるなんて魔法みたい!」と制御に魅力を感じたからです。
制御かロケットかでぎりぎりまで悩みましたが、ふと、私たちが開発しているハイブリットロケットの高度をさらに伸ばすためには、姿勢制御が不可欠ではと気づきました。そこで、高野先生に「ロケットの姿勢制御を研究したい」と相談に行くと、ぜひやってほしいと言っていただけ、高野研究室を選ぶことにしたのです。
研究室での活動は、4年生から本格的に始まります。今は、倒立振子ロボット(振り子を逆さにした形状で、本体が倒れないように制御するロボットのこと)を作成し、制御について体系的に学んでいます。それと同時に、ハイブリッドロケットにはどんな制御システムを使うか、過去や現在用いられている制御システムを調べながら、どの制御システムなら実現できそうなのか検討しています。
制御はこれまでの宇宙ロケット部では、まだ誰もやっていない初めての研究なので、過去の資料などもなく、進め方もすべてゼロから自分で考えなければなりません。大変ですが、やりがいを感じています。
神奈川大学の魅力はいろいろありますが、テクノサークルの存在が一番ですね。サークルに所属すれば、自分がやってみたいものづくりが1年生からできることが最大のポイントです。私の所属する宇宙ロケット部の他にも宇宙エレベータープロジェクト、ロボットプロジェクト、KURAFT(学生フォーミュラプロジェクト)などがあります。
また、機械工学科は、実習が多いところが魅力です。座学が実習に繋がり、実習をやって初めて感じることがあります。そのバランスがとても良く理にかなったカリキュラムだと思います。教授との距離がいい意味で近く、授業でわからないことを聞きに行っても親身になって教えてくださることも、よいところだと思います。
卒業後は大学院に進学するつもりです。その後は、宇宙開発に携わることが夢です。宇宙開発はグローバルな業界なので、今から英語力を上げていけるよう勉強中です。また、ロケットや制御にとらわれず、幅広い分野に関心を持って、学び続けたいと思っています。