ここでは、機械工学科のカリキュラムの中から、いくつかの専修科目内容について紹介します。
代表的な専修科目の紹介
1.機械工学実習
「ものつくり」に必要な基本的加工法を学ぶ1年次の必修科目です。この科目は、実際に加工しながら、加工機の種類、加工の方法、加工の精度などについて学ぶ体験学習型科目です。円柱状に材料を削る旋盤加工ではエンピツ立てを製作します。NC加工(数値制御フライス盤)では、皆さんがデザインした文字や絵などをプログラム入力して刃物で削っていきます。金属材料同士を溶かして接合する溶接加工、高い精度できわめて滑らかな面を削り出す精密加工(研削盤)など、自ら体験しながら機械に慣れし親しむことができます。
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旋盤加工
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溶接加工
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精密加工
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NC加工
2.機械解剖
「機械解剖」は,機械の基本について学ぶための科目です。この科目では、学生が自分でエンジンなどの機械装置の分解組み立て作業を行います。さらに、分解した様々な部品の測定などを行います。
この科目を履修することにより、教科書等には載っていない、機械に関する基本を学ぶことができます。
また、この科目を学んでおくことで、高学年次において学ぶ、機械工学科の専修科目の理解が深まります。
3.Mデザイン
「MデザインA」と「MデザインB」「MデザインC」では、学生が簡単な装置を設計製作し、さらに製作した装置の性能などを調べます。このような学習と通して、機械を設計するために必要不可欠な様々な原理を学びます。
4.実用英語
技術者の仕事には、英語が必要不可欠です。例えば、新しい技術に関する情報の多くは、英語で書かれたものです。さらに、諸外国の技術者と共同で仕事を行うこともあります。実用英語I-IVでは、将来皆さんが必要になる、実用的な英語を学びます。
5.コンピュータ解析
機械工学を学ぶ際に、コンピュータを効果的に利用するための方法を学びます。例えば、機械工学の学習では、導き出された式に数値を代入して計算を行ったり、その結果をグラフで表したりすることがあります。コンピュータを利用すれば、このような作業が簡単に行えるようになります。また、既に説明しました「機械解剖」や「Mデザイン」の学習結果をパソコンによってレポートにまとめたり、プレゼンテーションを行う方法も学びます。
6.卒業研究
4年次の必修科目です。3年次までに学んだ内容を基礎にして、「卒業研究」を行います。「卒業研究」は研究室に所属して行います。研究室の教員や大学院生のアドバイスを受けながら、計算、実験装置の設計・製作、実験、プログラム開発などを行います。また、英語文献の講読も行います。「卒業研究」を行うことによって、機械工学の魅力や奥深さを知ることができるだけでなく、機械エンジニアの活動の基本を学ぶことができます。卒業研究で学んだ内容をさらに大学院で発展させることもできます。
7.エンジン工学
自動車のエンジンを開発したいという学生は、「エンジン工学」が履修できます。
8.ロボット工学
ロボットの動作を思い浮かべてみましょう。ロボットは要求される様々な動作を行うことができます。この科目では、機械に必要な動作を発生させるための方法やロボットの構成などについて学ぶことができます。
9.メカトロニクス
現在使われている機械(メカ)には、多くのエレクトロニクス技術が使われています。このように、現在では機械と電気を組み合わせたシステムがほとんどです。メカトロニクスとは、機械と電気を組み合わせた造語です。例えば、ロボットをはじめ多くの機械を動かすためには、モータが必要です。また、機械の動作を検出するためには、様々なセンサが必要になります。この科目では、機械システムを動かすために必要になるメカトロニクス技術を学びます。
10.CAD/CAMI,II
機械の設計と生産には、CAD(コンピュータによる設計)とCAM(コンピュータによる生産)が使われています。この科目では、学生が実際にCAD/CAMを使って、機械部品の設計と加工を行います。